レジュメ | 8 都市は変動する。その制御は必要か、また可能か(有機体としての都市)2003/06/21 1 都市は変動する 1)都市は生き物であり、新陳代謝を行い、常に変動する。(都市有機体説) 2)変動は外部的要因と内部的要因によって生ずる 3)文明のシステム・人間そのものが都市を変動させる原動力になる 4)都市という存在は、空間・社会に加えて時間によって構成されている。
2 都市は自然に発生するか? 1)都市は人間によって造られ、自然に発生するということはない。 2)集団意思よりも,個々の任意の行動が優先したとき,比愉的に「自然発生J という。 3)変動する都市は、常に「自然発生」 的な都市を出現させ、姿を変えている。
3 都市を変動させる要因——潜在欲求——私的レベル→法人レベル 1)経済的利益 ①今日的——収入、資産価値、利便性向上、②長期的——期待的利益 2)支配欲・権威欲 財政支出への働きかけ、財政配分 3)生活の向上 ドブ板、道路、橋、保育園などの政治要求とその反応、 4)安全欲求 自然災害の回避・防御、人為災害の排除と対策
4 都市の制御は必要か——都市は誰のものか(個人を守るためにも全体システム) 1)全体システムとして維持できなけば、生活は維持できず、環境も破壊される 2)インフラの崩壊、弱肉強食、利害衝突の混乱、破壊暴力・環境無視からの防御 3)都市の記憶の維持、自然的要素の保全と再生が必要一一都市環境
5 都市の制御は可能か——都市として機能させ維持してゆく条件? 1)都市の人間集団が、全体を維持させる集団意志をもち、制御システムをもつこと 2)「計画不要論」もいわれたが、それは現状計画の誤りの指摘である。 3)制御に個々の都市住民も、自分たちの必要性を認識し、そこに加わる必要がある
6 都市の制御の認識——都市環境=自然環境+人工環境+社会環境(意識、制度) 1)異質で多様なモノの集積+ 異質で多様な人間の集積の共存を前提に、全体を システムとして成立・維持してゆく都市の意志 2)都市の運動= 自然の法則+ 生物の行動+ 人間の欲望+ 権力の欲望 個別の欲望・要請と長期に全体を維持向上させる矛盾の解決 3)動態としての都市の総合的な把握と、適切な手段が可能なシステム 4)意志を組織的に実現させる都市政策」と実行手段としての「計画」 や「ルール」
7 都市制御の手段 1)慣行的制御 2)権威的制御 祭司 哲人 3)権力的制御 上からの力、強制力、統治力 4)誘導的制御 利益誘導、報償、名誉 5)内発的集団制御 自治機構、政策機構、生きがい |
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